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トルコ映画「Nekro」(2015) [トルコ]

トルコ映画の「Nekro」(2015)。
İhsanという、大病院に勤務する用務員の男の常軌を逸した奇行を描いたドラマである。この男、たいへん陰気で仕事もろくにできない。周囲からも馬鹿にされ、つまはじきにされている。
そういう彼が女子更衣室に潜んで看護師たちの私物を勝手にいじるぐらいは序の口で、最大の楽しみは遺体安置室に忍び込むことである。若い女性の全裸の遺体を抱いては、性的な快楽の頂点を味わっているのだ。
その中でもひときわ美しい一体に心を奪われ、墓場から泥だらけの遺体を掘り出してしまった彼は、独り住まいのアパートにそれを連れ帰ってしまう。そして常識外れの、死者との同棲生活が始まるのである。
専門的にはよくわからないが、İhsanは薬のようなもので遺体の手入れを繰り返していて、変色も硬直もあまり進まないようだ。だから美貌を保ったままの遺体を抱き、買ってきたドレスやアクセサリーを付けさせ、真夜中に屋外に連れ出しては二人っきりのデートまでも楽しんでいる。
まあ、もっともよくわからないのが、彼はどうしてそこまでの変態になってしまったのかということだ。この病院にはドラッグ中毒の女性看護師なども登場し、病んでいる病院勤務者の描写には事欠かないのだが、そういう行動が提示されるだけで、作品じたいから心理的な深みはみえてこない。奇人の行動をビジュアル重視で描かれても、ちょっと消化不良。İhsanが異常であることは、不気味なメイクを施すことで、観客に理解させようとしている。
まあ、隣部屋で孤独死があっても、人を監禁していても、なかなか気づかれないような時世で、都会では自分のそばにこういう人物が潜んでいてもおかしくはないし、また逮捕されたとしてもその動機の解明は保証できないことは、極めて現実的なのだが。
本作では、さすがに遺体の異臭も激しくなってきて、İhsanの行動を不審に感じたアパートの大家が警察に通報しようとしたところで、観念した彼は、死、すなわち彼女のいる世界へと向かうことを選択する。これも取って付けたような行動だなあと思う。
Pınar Sinanという女性の監督の長編デビュー作。
(2016年4月7日)



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