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21st BIFFから/ブリランテ・メンドーサ監督がプロデューサーの「Expressway」 [フィリピン]

ブリランテ・メンドーサ監督の名前がプロデューサーとしてあがっていることで、俄然注目して観たフィリピン映画「Expressway」(2016)。Ato Bautista監督の作品で釜山がインターナショナル・プレミア。プロデューサーの名前から想像したとおりのピノイ・テイストのドラマだ。「きよしこの夜」の調べから静かに始まるが、それはひと仕事前の殺し屋の瞑想の時間に過ぎず、スクリーン上では、無口で職人気質の殺し屋Benと若く熱しやすいその相棒Morrisによる、非情な仕事が繰り返されていく。
Benの流儀には納得できずやたらと暴走気味のMorris。クリスマスの季節感に包まれたこの街で、銃弾の乾いた音が響き、飾られたツリーの前に死体が転がる。そのコントラストがフィリピンの気鋭の監督のひとつの美学だ。そしてこれを最後に足を洗うつもりのBenがピアノで弾き語る「きよし…」のメロディには、贖罪の意が込められているかのようだ。
ここでは詳しく書かないが、BenとMorrisには過去から運命的な因縁があった。だからラストシーンでMorrisがBenに銃口を向けることは、ある意味で神様による巡り合わせだった…。銃声だけが夜空に響いて、このドラマはストンと終わる。誰が誰を撃ったのか。
キャストとスタッフのクレジットは、最初に冒頭の「きよしこの夜」の調べにあわせて出てしまっているので、作品は銃声を最後にもう本当にストンと終わって劇場内は直ちに明るくなる。
あまりにも潔い余韻のなさ。それは殺し屋が銃弾一発で確実に仕留める作法のよう。ヤラレた。
(2016年11月17日)

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