So-net無料ブログ作成

21st BIFFから/イラン映画「The Dream of Water」 [イラン]

アスガー・ファルハディのように進化を遂げていない、良い意味でガラパゴス的なイラン映画の貴重作として「The Dream of Water」(2016)のワールドプレミアを観た。監督はFarhad Mehranfarで、イラン映画が国際的に台頭してきた90年代に集中して観た中に「Paper AirPlanes」(1997)、「The Tree of Life」(1998)の監督作があるが、それ以来観たことになり、僕としてはすっかり忘れていた存在。
砂漠の真ん中でジープがオーバーヒートしてしまった男がたどり着いたのは、かつては集落だっただろう廃墟群。そこには鮮やかな織物を織り続ける謎の老人がいて、男は建物の地下にある秘密めいた井戸の空間に閉じ込められてしまう。地下は通路で縦横に広がっていて、奥には人工池があって魚もいる。男の前でこれまた謎の若い女性の姿が見え隠れする。イラン映画なのだからまさか怨霊ではないだろう。
ミステリアスな地下世界の描写が続き、老人はこの集落を甦らせるために井戸の復活を望んでいて、女性はそのために自らを捧げた“井戸の花嫁”であることがわかってくる。この人たちはどうやって生活しているの、というファンタジーに対するツッコミはせず、登場人物たちによる水源探しにあわせて、我々もこのイラン映画らしい文脈の中からそこに埋め込まれたメッセージを探さなければならない。暗い地下世界の中に飛び込んできた男は何を象徴しているか、生きるために必要な水は何に例えられるかなどを。
(2016年12月7日)


nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。