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パルヴィズ・シャーバズィー監督の最新作「Malaria」 [イラン]

第73回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門でワールドプレミア上映された,イランのパルヴィズ・シャーバズィー監督の最新作「Malaria」(2016)。
事件の遺留品なのだろうか,何かの手がかりと思しき携帯電話から再生される録画映像のなかから,物語が始まる。そこに自撮りで登場してくる娘と若い青年は駆け落ちしてきたらしい。それも身代金目的のこの娘の誘拐を装って。テヘランへと向かう彼女らがヒッチハイクしたのは,マラリアという音楽バンドのメンバーAziの車。Aziが仕方なく二人を自宅に招いたところ,彼じしんが誘拐犯を追って殺気立つ娘の父親や兄たちとの騒動に巻き込まれていく。
マラリアというバンド名、いや題名が、何だかこの国では刺激的に聞こえる。そもそもこのドラマの主軸にある、女性を取り巻く伝統という固い殻を破らんとする一人の娘の冒険が、イラン社会においては病気であって、社会に対して熱を発しているというのだろうか。主人公が到着したテヘランでは折しも、欧米の経済的制裁解除に導いたザリフ外相を讃える国民で溢れていた。イランの国力を守り抜いたからだろう。その一方で、主人公のような若い女性の勇気は守られない。
ところでイランは今また、トランプ米国大統領と向き合うことを余儀なくされている。
(2017年2月2日)


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