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アジアフォーカス2013/400字レポート ⑤ 「ゲーマー」 [ウクライナ]

アジアフォーカス2013/400字レポート ⑤
「ゲーマー」(2011) ウクライナ オレグ・センツォフ監督

東ヨーロッパに位置する旧ソ連のウクライナが舞台。母と二人暮らしの17歳の少年コス(ハンドルネーム)は、通っていた技術学校からはすでにドロップアウトしている。しかしコンピュータ・ゲームQUAKEの腕前から、人気のクラブチームにスカウトされ、ついには国内チャンピオンにまで昇りつめる。勝利のたびに刻んできた愛用マウスの傷は増えていくばかり。しかし、周囲の期待を背負ってウクライナの代表として臨んだ国際大会では2位に終わってしまう。もうゲームには飽きたと自分じしんに言い聞かせるしかない。何かに没頭してきたひとつの青春にピリオドを打つ時機が訪れる。
コスと彼の仲間たちはいつも、祝勝会に限らず、何かと集まっては強そうな酒を酌み交わし、タバコもいつだって吸っている。男だって女だって。彼の昔の仲間が今もバンド活動を続けている姿と対比させて、国際大会後成り行きで大学に編入したコスの、あてなき未来があぶりだされ、千鳥足でゲロを吐く彼は、池に向かってマウスを放り投げるしかない。映画はそのまま家に戻ったコスの一瞬の微笑みにストップモーションをかけて、物語を切り上げてしまう。これはまた、最後にヤバイ表情でフリーズしたものである。アル中へ一直線しなければいいのだがと心配になる、正常なものとは言えないそれである。この一瞬の問いかけのために、それまでの90分間があった。
(2013年10月1日)

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