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18th BIFFから/コンゴ民主共和国のドキュメンタリー「Atalaku」 [コンゴ]

18th BIFF(10月7日、CGV Centum City 2)にて、コンゴにおける2011年の国政選挙の様子を描いたDieudo Hamadi監督のドキュメンタリー「Atalaku」(2012)を観る予定にしていたので、コンゴについて少し予習をしてから臨んだ。コンゴがふたつあることは知っていたが、いま現在の状況は、今回の鑑賞を機会に知ることができた。
ここで言っているコンゴは、アフリカ大陸のど真ん中に位置する旧ベルギー領で、子どもの頃にはザイールと教えられた、面積がアフリカで二番目に大きい「コンゴ民主共和国」(首都キンシャサ)の方で、フランス領だった「コンゴ共和国」ではない。50年前の独立以降もクーデターや内乱が続き、本作で描かれる2011年11月の大統領選挙は、1998─2003年の内戦後二度目のものだという。だから選挙システムがまだほとんど整備、確立されていない中で行われる。と、ここまでは予習。
未成熟であれば当然、暗殺された父を継いで2006年に就任した現職のジョゼフ・カビラ大統領側が意図的に投票所運営できることは明らかで、その様子はドキュメンタリーの後半で映し出されるが、まず前半は選挙活動。
「カビラ100%」と書かれた大きな看板が街なかに立てられている。NGOや女性団体など幾つもの候補者陣営が切り替わって登場するが、マシンガンのように連発される台詞字幕についていくのが精一杯で、画面を追えていないのが、つらい(予習では10人ほどが大統領に立候補していたよう)。そのなかでも、カメラは一人の活動員を中心に追う。選挙活動では、歌って踊って、気持ちをひとつにすることが肝心のようだ。そういう、音楽ライブのような感じのポップな場面も出てくる。男は、応援キャンペーンの歌を作るために、ミュージシャンを探す。来週火曜まででギャラは15ドル。アフリカン・ミュージシャンたちが即興でラップのように言葉を繋ぐ。
活動員たちは、勢力的に市場や教会をまわる。現政権に不平を言うおばちゃんたち。まわる先が市場や教会であるからか、出てきていろいろまくしたてるのはおばちゃんが圧倒的。そして候補者じしんが市場にやって来る。先頭は旗を振って、曲に合わせて歌い踊る。サンバのようなパレードだ。そして、アーメンの言葉。コンゴはキリスト教が主のようだ。演説が行われるが、そのあと、クライマックスもダンス。完全にお祭り化していて、演説じたいは、単なる来賓挨拶のようにみえて、何だかおかしい。
応援活動のあと、ダンサーたちがギャラが安いと刃物を振り回すという騒動がオマケとして描かれ、街は投票日当日を迎える。カビラ陣営は現職の功績の数々を訴え、それに対して、カビラの残したものはすべてメイド・イン・チャイナじゃないかと声があがる。
現職のジョゼフ・カビラ大統領は結局再選を果たすのだが、2011年11月28日の投票日、各地の投票所では血が流れるなど、真っ当な選挙ではなかったことが、当時報道されている。このドキュメンタリーのカメラは、終盤、混乱の投票所へと入り込んでいく。そこにいる人々は、もう誰もが興奮状態。ペンもインクも用意されていない!、投票できない!、捏造だ!と口々に言う。本作のカメラは「あっちを撮れ、こっちを撮れ」と、頭に血の上った群衆から引きずりまわされる。ドキュメンタリーの醍醐味に溢れるクライマックスが観られた。
(2013年10月22日)

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ついでに。劇場で映画を観た際には必ず直後にメモ帳に書き込む習慣があるのだが、6月25日にKBCシネマで観た、コンゴを舞台にしたカナダのキム・グエン監督による劇映画「魔女と呼ばれた少女」(2012)についての走り書きが残っているので、この際に清書しておこう。

戦乱のコンゴ。じしんの波乱の運命物語を、腹の中のこどもに向かって語りかける14歳の少女。その内容は壮絶。数年前に反政府軍に拉致され、兵士、そして魔女として生きることを否応無しに求められた。そのために、自分じしんの手で、両親や、愛し合うようになった少年兵を射殺することを強いられたのだ。腹の中の子はその少年兵の子ではなく、軍曹のレイプによるもの。全体的にドラマ展開の省略が話をもって行き過ぎの感もあるが、それが運命の乱暴さを浮きだたせないわけでもない。少女と結ばれた少年兵は肌が生まれつき白い、白皮症だった。二人は恋愛を成就させるために軍から逃げた。少女は少年からのプロポーズに対して「白いオンドリを持参してきたら許す」という父親の言葉を思い出して、それを彼に告げる。この地では白いオンドリは珍しいようだ。少年が必死になってそれを手に入れようとするくだりが、作品半ばのピースフルなところ。それは、白皮症の人たちが集まった集落で手に入れることができた。また少女は死んだ人の姿を見ることができ、その能力のために魔女として重用されるのだが、見える霊たちはすべて真っ白だ。この、白色で括られた意図はなんだったのだろう。白皮症は東アフリカに多くみられ、不死身の幽霊と呼ばれ殺害対象にもなっているそうだ。第62回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(女優賞)を受賞。




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